比較

特定技能と技人国の違い

どちらも就労が認められる在留資格ですが、対象とする業務の性質が根本的に異なります。現場系業務か専門職系業務か、業務内容で使うべき制度が決まります。

最終更新日: 2026-04-01

Conclusion

先に結論

現場系業務(介護、製造ライン、建設作業、外食の調理・接客など)なら特定技能、専門的・技術的業務(設計、開発、通訳、経理など)なら技人国(技術・人文知識・国際業務)が該当します。

判断の基準は候補者の業務内容です。学歴や在留期間の違いも大きいですが、まず「任せたい業務が現場系か専門職系か」を整理してください。業務内容に合わない在留資格で申請すると不許可になります。

Comparison

主要比較表

7つの比較軸で制度の違いを一覧

比較軸 特定技能 技人国
対象業務 特定産業分野の現場業務(介護、建設、外食、製造等) 専門的・技術的業務(エンジニア、通訳、経理等)
学歴要件 不問 大卒、専門学校卒(専攻関連)、または実務経験10年以上
技能水準 技能試験+日本語試験の合格(技能実習2号修了で免除) 学歴・実務経験で判断(試験なし)
在留期間 1号: 通算5年 / 2号: 上限なし 5年・3年・1年・3月(更新回数の上限なし)
家族帯同 1号: 不可 / 2号: 可 可(家族滞在)
転職 同一分野内で可 同一の業務区分内で可(届出が必要)
支援義務 あり(1号: 支援計画の策定・実施が必要) なし

出典: 出入国在留管理庁 特定技能制度出入国在留管理庁 在留資格「技術・人文知識・国際業務」

Detail

対象業務の違い

制度選択の最大の判断軸

特定技能

特定産業分野における現場業務

人手不足が深刻な分野で、相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務が対象です。

例: 介護の現場介助、建設現場の施工、飲食店の調理・接客、食品工場の製造ライン、宿泊施設のフロント・客室

技人国

専門的・技術的知識を要する業務

自然科学・人文科学の分野に属する技術・知識を活用する業務、または外国文化に基盤を有する思考・感受性を要する業務が対象です。

例: システム開発、機械設計、財務経理、マーケティング、通訳・翻訳、貿易事務、語学教師

技人国では、工場の単純なライン作業、飲食店のホール業務のみ、ホテルのベッドメイキングのみなど、専門知識を要しない反復的業務は認められません。ただし、入社後の研修として一定期間の現場実習が認められる場合があります。

Detail

学歴・試験要件の違い

候補者の採用可否に直結する

特定技能

学歴は不問。技能試験と日本語試験の合格が要件

  • 分野ごとの技能評価試験に合格すること
  • 日本語能力試験N4以上相当(介護はさらに介護日本語評価試験にも合格が必要)
  • 技能実習2号を良好に修了した場合は試験免除
技人国

学歴または実務経験で判断。個別の技能試験はなし

  • 大学(短大含む)卒業、または日本の専門学校で専門士の称号を取得(専攻と業務の関連性が必要)
  • 学歴がない場合: 従事しようとする業務について10年以上の実務経験
  • 「国際業務」に該当する場合は3年以上の実務経験で申請可能
  • 留学生の新卒採用では、大学での専攻と業務内容の関連性が審査される

Detail

在留期間と長期雇用

長期雇用やキャリア設計に影響する

特定技能

  • 1号: 1年・6月・4月ごとの更新、通算5年が上限
  • 2号: 3年・1年・6月ごとの更新、上限なし
  • 1号では家族帯同不可、2号では可
  • 2号への移行には上位の技能試験合格が必要

技人国

  • 5年・3年・1年・3月のいずれかで付与
  • 更新回数に上限なし
  • 家族帯同可(配偶者・子は「家族滞在」で在留)
  • 永住申請の基礎になりやすい

長期雇用を前提とするなら、技人国は在留期間の制約が少なく安定的です。特定技能1号は5年の通算上限があるため、その後のキャリアパス(2号移行、技人国への変更等)を採用時から視野に入れる必要があります。

Detail

支援義務とコスト

受入れ後の運用負荷が異なる

特定技能(1号)

  • 受入企業に支援計画の策定・実施義務
  • 事前ガイダンス、生活オリエンテーション、相談・苦情対応、日本語学習支援など
  • 登録支援機関への全部委託は可能
  • 届出義務は委託しても企業に残る
  • 委託費の目安: 月額2万〜4万円程度

技人国

  • 法定の支援義務なし
  • 通常の労働者として雇用管理を行う
  • 登録支援機関や監理団体は不要
  • 支援関連の追加コストなし

技人国は支援関連の追加コストがない分、採用後の運用はシンプルです。特定技能は支援体制の構築・維持が必要ですが、学歴不問で採用できるため候補者プールが広い利点があります。

Decision

判断の指針

業務内容から適切な制度を選ぶ

1

製造現場、建設現場、介護現場、飲食店での調理・接客が中心

特定技能を検討。技能試験と日本語試験の合格が要件。

2

システム開発、設計、経理、通訳、マーケティングなど専門知識が必要

技人国を検討。大卒以上の学歴と専攻の関連性が審査される。

3

候補者に大卒以上の学歴がなく、現場業務を任せたい

特定技能を検討。学歴不問で、技能試験の合格で在留資格を取得できる。

4

留学生を専門職として正社員採用したい

技人国を検討。大学での専攻と業務内容の関連性を事前に確認する。

5

業務内容が現場と事務の両方にまたがる

主たる業務がどちらかで判断。迷う場合は行政書士等の専門家に相談。

業務内容に合わない在留資格で申請すると不許可になります。候補者の職務内容を具体的に整理したうえで、適切な在留資格を選択してください。

FAQ

よくある質問

原則として認められません。技人国は専門的・技術的業務が対象で、専門知識を要しない単純作業は対象外です。ただし、入社後の研修として一定期間の現場実習が認められる場合があります(出入国在留管理庁のガイドラインに基づく)。
要件を満たせば可能です。大卒以上の学歴があり、業務内容が技人国の要件に合致する場合、在留資格変更許可申請を行います。
大卒等の学歴がなくても、従事しようとする業務について10年以上の実務経験があれば申請可能です。「国際業務」に該当する場合は3年以上の実務経験で申請できます。
制度上の給与規定はどちらも「日本人と同等以上」が原則です。ただし、特定技能は現場系業務、技人国は専門職のため、市場の給与水準は業種・職種によって異なります。
技人国は更新回数に上限がなく、在留実績を積むことで永住申請の要件を満たしやすくなります。特定技能1号は通算5年が上限で、永住申請に必要な在留期間の要件を満たすには2号への移行等が必要です。

制度の詳細を確認する

比較結果を踏まえて、各制度の詳細ページやケース別ガイドで具体的な進め方を確認できます。