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登録支援機関の選び方と費用相場
特定技能1号の外国人を受け入れる企業は、義務的支援を自社で行うか、登録支援機関に委託するかを選ぶ必要があります。初めての受入れでは、実質的に登録支援機関への委託が必要になるケースがほとんどです。
登録支援機関の費用相場は、初期費用0〜10万円、月額2万〜4万円/人です。ただし全国に8,000以上の機関が登録されており、対応範囲や品質にはばらつきがあります。
最終更新日: 2026-04-02
Overview
登録支援機関とは? 役割と義務的支援10項目
特定技能1号の支援を代行する登録機関
登録支援機関とは、特定技能1号の外国人を受け入れる企業に代わって、義務的支援の全部または一部を実施する機関です。出入国在留管理庁に登録された法人・個人が登録支援機関として活動できます。
企業(受入れ機関)が行うべき義務的支援は以下の10項目です。
| No. | 支援項目 |
|---|---|
| 1 | 事前ガイダンスの実施 |
| 2 | 出入国する際の送迎 |
| 3 | 住居確保・生活に必要な契約支援 |
| 4 | 生活オリエンテーションの実施 |
| 5 | 公的手続等への同行 |
| 6 | 日本語学習の機会の提供 |
| 7 | 相談・苦情への対応 |
| 8 | 日本人との交流促進 |
| 9 | 転職支援(人員整理等の場合) |
| 10 | 定期的な面談の実施・行政機関への通報 |
これらをすべて自社で行う体制がない場合、登録支援機関に委託します。委託する場合は「全部委託」が一般的ですが、一部だけを委託することも制度上は可能です。
義務的支援10項目の詳細は「特定技能の支援義務10項目」で解説しています。
Cost
登録支援機関の費用相場
初期費用と月額費用の2つで構成
| 費用区分 | 相場 | 備考 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 0円〜10万円 | 設定しない機関も多い。支援計画の作成補助、事務手数料などが含まれる |
| 月額費用 | 2万〜4万円/人 | 外国人1人あたりで発生。義務的支援10項目の実施費用が含まれる |
月額費用に含まれることが多い内容
- --事前ガイダンスの実施
- --生活オリエンテーションの実施
- --定期面談(3か月に1回以上)
- --相談・苦情への対応
- --届出書類の作成補助
別途費用が発生しやすい内容
- --在留資格の申請代行(行政書士業務として別料金の場合あり)
- --通訳の手配(対応言語によっては追加費用)
- --住居の仲介(不動産仲介手数料は別途)
- --空港への送迎の交通費実費
見積もりを取る際は、月額費用に何が含まれていて、何が別途費用になるかを確認してください。「月額2万円」でも別途費用が多ければ、「月額3万円で追加費用なし」の機関のほうが総額では安くなることがあります。
Checklist
登録支援機関を選ぶ5つのポイント
契約前に確認すべき判断基準
対応言語
外国人本人が理解できる言語で支援を行うことは制度上の要件です。事前ガイダンスや生活オリエンテーション、定期面談は、外国人が十分に理解できる言語で実施する必要があります。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 母語対応 | 採用予定の外国人の母語に対応しているか |
| 通訳費用 | 通訳を外部委託する場合、費用は月額に含まれるか別途か |
| 日常対応 | 電話やメールでの相談対応も母語で可能か |
需要の多い言語はベトナム語、インドネシア語、フィリピン語(タガログ語)、ミャンマー語、中国語です。採用する国籍が決まっている場合は、その言語のネイティブスタッフが在籍しているかを確認してください。
地域の対応範囲
義務的支援には、空港への送迎、住居確保の支援、定期面談など、現地対応が必要な業務が含まれます。登録支援機関の所在地と自社の事業所が離れすぎていると、対応の遅れや追加の交通費が発生します。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 対応エリア | 自社の事業所がある地域に対応しているか |
| 面談方法 | 対面での定期面談が可能な距離か(オンライン面談の可否も確認) |
| 緊急対応 | 緊急時に現地対応できる体制があるか |
全国対応をうたう機関でも、実際には特定地域にスタッフが集中している場合があります。対応エリアの実態を確認してください。
支援実績数
支援実績は、機関の経験値を判断する指標になります。実績が多いほど、さまざまなケースへの対応ノウハウが蓄積されています。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 支援規模 | これまでの支援人数・支援企業数 |
| 業種実績 | 自社と同じ業種(分野)での支援実績があるか |
| 登録状況 | 出入国在留管理庁の登録支援機関登録簿で確認できる |
同じ業種の実績がある機関は、その分野特有の課題(シフト勤務、地方立地など)を理解しているため、支援の質が高くなりやすいです。
費用の透明性
月額費用に含まれる範囲は機関によって異なります。契約前に費用の全体像を明示してくれるかどうかは、機関の信頼性を測る重要な指標です。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| サービス範囲 | 月額費用に含まれるサービス範囲が書面で明示されているか |
| 別途費用 | 別途費用が発生する条件と金額が明確か |
| 契約条件 | 契約期間と解約条件(違約金の有無) |
| 人数変動 | 受入れ人数が増減した場合の費用変動ルール |
見積書だけでなく、契約書のドラフトを事前に確認させてもらうことを推奨します。
緊急時の対応体制
外国人の生活上のトラブルや労務上の問題は、営業時間外に発生することもあります。夜間・休日の連絡手段と対応体制は、実際に委託してから差が出やすいポイントです。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 緊急連絡先 | 夜間・休日の緊急連絡先があるか |
| 対応フロー | 誰が、何分以内に、何をするかが定められているか |
| 対応実績 | 過去に緊急対応した事例があるか(具体的に聞いてみる) |
特定技能の外国人は日本での生活経験が浅い場合が多く、病気・事故・近隣トラブルなどの対応が必要になることがあります。「平日9〜17時のみ対応」の機関では不十分な場合があります。
Comparison
自社支援と委託、どちらを選ぶべきか
体制・人数・経験で判断が変わる
登録支援機関への委託は義務ではありません。自社で支援体制を構築できれば、自社支援で受入れることも可能です。
| 項目 | 登録支援機関に委託 | 自社支援 |
|---|---|---|
| コスト | 月額2万〜4万円/人 | 担当者の人件費・工数 |
| メリット | 実務負担がほぼなくなる。ノウハウがなくてもすぐ開始できる | 外部コストを削減できる。外国人との直接的なコミュニケーションが増え、定着率向上につながりやすい |
| デメリット | 費用が継続的に発生する。支援の質が機関に依存する | 支援責任者・担当者の選任が必要。届出・面談・記録管理の事務負担が増える。対応言語の確保が必要 |
| 向いている企業 | 初めての受入れ。受入れ人数が少ない(1〜4人程度)。支援業務に割ける人員がいない | 受入れ人数が多い(5人以上)。過去2年以内に外国人の受入れ・管理実績がある。多言語対応可能なスタッフがいる |
判断の目安
初めての受入れ
まず委託から始め、ノウハウが蓄積されたら自社支援への切替を検討する
受入れ人数5人以上
自社支援のコストメリットが出やすい。年間の委託費(5人 x 月3万円 = 年180万円)と、担当者1人の人件費・工数を比較して判断する
自社支援の要件を満たさない場合
委託が必須。過去2年以内の外国人受入れ実績がない場合、初回は委託となる
委託から自社支援への切替、または自社支援から委託への変更は、届出を行えばいつでも可能です。
Caution
悪質な登録支援機関の見分け方
契約前・契約後に注意すべきサイン
登録支援機関の数が増える中で、支援の質が低い機関や不適切な運営を行う機関も存在します。以下のサインがある場合は注意してください。
契約前の注意サイン
- --費用の内訳を書面で示さない、口頭でしか説明しない
- --契約書を事前に確認させてくれない
- --「すべてお任せください」と言うだけで、具体的な支援内容を説明しない
- --相場から大きく外れた低価格(月額1万円以下など)を提示する
- --長期契約を強く求め、中途解約に高額な違約金を設定している
契約後の注意サイン
- --定期面談を実施しない、または形骸化している(電話のみで済ませる等)
- --届出書類の作成・提出が遅れる
- --外国人からの相談に対応しない、連絡がつかない
- --支援実施の記録を企業に共有しない
確認できる公的情報
| 情報源 | 確認できる内容 |
|---|---|
| 登録支援機関登録簿 | 登録の有無と登録年月日 |
| 登録取消し一覧 | 登録が取り消された機関 |
登録されていても支援の質が保証されるわけではありませんが、未登録の機関は論外です。
契約前に複数の機関から見積もりを取り、対応の丁寧さや説明の具体性を比較することが、悪質な機関を避ける最も実効性のある方法です。
Summary
まとめ
費用相場と5つの確認ポイント
登録支援機関の費用相場は、初期費用0〜10万円、月額2万〜4万円/人です。
選ぶ際は以下の5つのポイントを確認してください。
| ポイント | 確認の要点 |
|---|---|
| 1. 対応言語 | 外国人の母語で支援できるか |
| 2. 地域の対応範囲 | 事業所の近くで対面対応が可能か |
| 3. 支援実績数 | 同業種での実績があるか |
| 4. 費用の透明性 | 月額に含まれる範囲が明確か |
| 5. 緊急時対応体制 | 夜間・休日も連絡がつくか |
初めての受入れでは登録支援機関への委託から始め、ノウハウが蓄積されてから自社支援への切替を検討するのが現実的です。
義務的支援の詳細は「特定技能の支援義務10項目」、特定技能の費用全体は「特定技能の受入れ費用はいくらかかる?」で確認できます。
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