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特定技能の分野別受入れ状況と人数枠【最新データ】

特定技能の対象分野は、2024年の閣議決定による4分野追加を経て現在16分野です。2024年度から2028年度までの5年間の受入れ見込数(上限)は合計82万人と設定されています。

最終更新日: 2026-04-02

この記事では、特定技能16分野の一覧と各分野の概要、分野別の受入れ見込数の内訳、現在の受入れ状況(充足率)を整理します。2024年に追加された自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野についても解説します。

自社の業種がどの分野に該当するかの判断ポイントにも触れますので、受入れ検討の参考にしてください。

Fields

特定技能16分野の一覧と概要

2019年の制度創設時に12分野、2024年3月に4分野が追加

No. 分野 主な業務内容 2号対象
1 介護 身体介護、支援業務 --
2 ビルクリーニング 建築物内部の清掃 対象
3 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業 鋳造、溶接、機械加工、電子機器組立て等 対象
4 建設 型枠施工、鉄筋施工、内装仕上げ等 対象
5 造船・舶用工業 溶接、仕上げ、塗装、機械加工等 対象
6 自動車整備 自動車の点検整備、分解整備 対象
7 航空 空港グランドハンドリング、航空機整備 対象
8 宿泊 フロント、企画・広報、接客、レストラン 対象
9 農業 耕種農業、畜産農業 対象
10 漁業 漁船漁業、養殖業 対象
11 飲食料品製造業 飲食料品の製造・加工、安全衛生 対象
12 外食業 調理、接客、店舗管理 対象
13 自動車運送業 トラック、バス、タクシーの運転業務 対象
14 鉄道 運転士、車掌、駅係員、車両整備等 対象
15 林業 育林、素材生産等 対象
16 木材産業 製材、合板製造等 対象

介護分野のみ、特定技能2号の対象外です。介護分野では「介護福祉士」の国家資格取得により「介護」の在留資格へ移行する道が別に用意されています。

なお、2024年の閣議決定では、既存分野の業務区分の見直し(追加・統合)も行われています。たとえば、飲食料品製造業では対象業務が拡大されています。

Quota

分野別の受入れ見込数(2024〜2028年度)

5年間の合計82万人 -- 前期間(34.5万人)から大幅拡大

2024年3月29日の閣議決定により、特定技能の受入れ見込数が2024年度から2028年度までの5年間で合計82万人に設定されました。前期間(2019〜2023年度)の34.5万人から大幅に拡大されています。

分野 受入れ見込数(5年間)
介護 135,000人
ビルクリーニング 37,000人
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業 173,300人
建設 80,000人
造船・舶用工業 36,000人
自動車整備 10,000人
航空 7,400人
宿泊 23,000人
農業 78,000人
漁業 17,000人
飲食料品製造業 139,000人
外食業 53,000人
自動車運送業 24,500人
鉄道 3,800人
林業 1,000人
木材産業 5,000人
合計 820,000人

受入れ見込数は「受入れの上限」であり、必ずこの人数を受け入れるという目標ではありません。各分野の人手不足の状況を踏まえて設定された「向こう5年間で受入れが見込まれる最大数」です。

受入れ見込数が大きい分野は、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業(173,300人)、飲食料品製造業(139,000人)、介護(135,000人)の3分野で、全体の約54%を占めます。

Status

各分野の受入れ状況と充足率

2024年6月末時点で約25万人が特定技能で在留

特定技能の在留外国人数は制度創設以降、急速に増加しています。2024年6月末時点で約25万人が特定技能で在留しています。

分野別にみると、飲食料品製造業、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、介護、農業、建設の5分野で全体の大部分を占めます。

充足率(現在の受入れ数 / 受入れ見込数)が高い分野は、飲食料品製造業や素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業です。一方、航空や宿泊は受入れ見込数に対して実際の受入れ数がまだ少なく、充足率が低い傾向にあります。

充足率が高い分野では、今後の受入れ枠に余裕がなくなる可能性があります。ただし、受入れ見込数は必要に応じて見直される制度設計になっているため、上限に達したからといって直ちに受入れが止まるわけではありません。

最新の在留外国人数は、入管庁の統計ページで四半期ごとに公表されています。受入れ検討時には最新データを確認してください。

New Fields

2024年追加の新規4分野

2024年3月の閣議決定で追加 -- いずれも2号対象

自動車運送業

トラック、バス、タクシーの運転業務が対象です。深刻化するドライバー不足(いわゆる「2024年問題」)を背景に追加されました。受入れ見込数は5年間で24,500人。

対象となる業務は、貨物自動車運送事業(トラック)、旅客自動車運送事業(バス・タクシー)の運転業務です。日本の運転免許の取得が前提となるため、入国後に免許を取得する期間が必要です。

鉄道

運転士、車掌、駅係員、車両整備、線路保守管理等が対象です。受入れ見込数は5年間で3,800人。

鉄道は業務範囲が広く、運転士から駅務、整備まで複数の業務区分が設定されています。

林業

育林(植栽、下刈り、間伐等)、素材生産(伐木、集材等)が対象です。受入れ見込数は5年間で1,000人。

他の分野と比べると受入れ見込数は少ないですが、中山間地域の深刻な人手不足に対応する目的で追加されました。

木材産業

製材、合板製造等が対象です。受入れ見込数は5年間で5,000人。

林業で生産された木材の加工・製造工程を担う分野で、林業と関連する産業です。

4分野とも特定技能2号の対象に含まれており、長期就労の道が開かれています。

How to Check

自社の業種はどの分野に該当するか

3ステップで確認

ステップ1: 日本標準産業分類で確認する

各分野の対象業種は、日本標準産業分類の分類番号で定義されています。自社の事業が分類上どこに該当するかを確認するのが第一歩です。

たとえば「飲食料品製造業」は、日本標準産業分類の「食料品製造業」「飲料・たばこ・飼料製造業」の一部が対象です。菓子製造、パン製造、水産食料品製造なども含まれます。

ステップ2: 業務区分を確認する

分野に該当しても、特定技能で従事できる業務は「業務区分」として定められた範囲に限られます。分野運用要領で業務区分の詳細を確認してください。

ステップ3: 分野別協議会への加入

特定技能で外国人を受け入れるには、分野ごとに設置されている協議会への加入が必要です。協議会の加入手続きは、所管省庁の窓口または入管庁の特定技能制度ページから確認できます。

判断に迷う場合

自社の業種が複数の分野にまたがる場合や、分野の境界が不明確な場合は、以下の方法で確認できます。

  • --所管省庁の相談窓口に問い合わせる
  • --行政書士に相談する
  • --地方出入国在留管理局に事前相談する

分野の該当判断を誤ると、在留資格の申請が不許可になるため、不明な点は事前に確認することが重要です。

Summary

まとめ

受入れ検討時の確認ポイント

特定技能は現在16分野が対象で、2024〜2028年度の受入れ見込数は合計82万人です。

受入れ検討にあたっての確認ポイントは以下の3つです。

  • --自社の業種が16分野のいずれかに該当するか(日本標準産業分類と業務区分で確認)
  • --該当分野の受入れ見込数と現在の充足状況
  • --分野別協議会への加入手続き

特定技能の制度全体像は特定技能とはで解説しています。受入れにかかる費用は特定技能の受入れ費用、2号への移行については特定技能2号の要件を参照してください。

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