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特定技能2号とは?対象分野・移行要件・1号との違いを解説

特定技能2号は、熟練した技能を持つ外国人材が在留期間の上限なく働ける在留資格です。2023年の拡大で11分野が対象になりました。対象分野、1号との違い、移行要件、企業にとってのメリットを整理します。

最終更新日: 2026-04-02

Overview

特定技能2号の概要

熟練技能者向けの在留資格

特定技能2号は、熟練した技能を持つ外国人材を対象とする在留資格です。

2019年の制度創設時には「建設」「造船・舶用工業」の2分野のみでしたが、2023年6月の閣議決定により11分野に拡大されました。

主な特徴

  • --在留期間の上限がない(更新回数に制限なし)
  • --家族(配偶者・子)の帯同が可能
  • --受入機関による支援計画の策定が不要
  • --1号からの移行には、分野別の技能評価試験への合格が必要

1号が「相当程度の知識又は経験」を求めるのに対し、2号は「熟練した技能」を要件としており、現場の中核を担える人材が対象です。

Comparison

1号と2号の違い

在留期間・家族帯同・支援義務の比較

項目 特定技能1号 特定技能2号
技能水準相当程度の知識又は経験熟練した技能
在留期間通算5年まで上限なし(更新制)
家族帯同不可可(配偶者・子)
支援計画必要不要
日本語要件試験合格等が必要試験なし(1号で確認済みの扱い)
永住許可原則困難(5年上限のため)要件を満たせば申請可能

企業にとっての最大の違いは、在留期間の上限がなくなる点と、支援計画が不要になる点です。長期雇用を前提とした人材計画が組みやすくなります。

Target Fields

対象11分野

2023年6月の拡大後の全分野一覧

分野 2号の対象時期
建設2019年(制度創設時)
造船・舶用工業2019年(制度創設時)
ビルクリーニング2023年6月拡大
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業2023年6月拡大
自動車整備2023年6月拡大
航空2023年6月拡大
宿泊2023年6月拡大
農業2023年6月拡大
漁業2023年6月拡大
飲食料品製造業2023年6月拡大
外食業2023年6月拡大

介護分野は特定技能2号の対象外です。介護には「介護」の在留資格(介護福祉士の取得を前提とした別制度)があり、そちらが長期就労のルートとして位置づけられています。

Requirements

2号への移行要件

共通要件と分野別の試験・実務経験

共通要件

すべての分野に共通する要件は以下の2点です。

  1. 分野別の2号技能評価試験に合格すること
  2. 一定の実務経験があること(分野により年数・内容が異なる)

分野別の主な要件

分野 試験 実務経験
建設建設分野特定技能2号評価試験、または技能検定1級合格班長としての実務経験
造船・舶用工業造船・舶用工業分野特定技能2号試験、または技能検定1級合格監督者としての実務経験
ビルクリーニングビルクリーニング分野特定技能2号評価試験複数の現場を統括した実務経験
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業製造分野特定技能2号評価試験、またはビジネス・キャリア検定等3年以上の実務経験
外食業外食業分野特定技能2号評価試験2年以上の実務経験、店舗管理の補助経験
農業農業分野特定技能2号評価試験2年以上の実務経験、農場管理の経験

試験は分野ごとに実施時期や頻度が異なります。受入企業は、対象者の試験スケジュールを早い段階で確認し、準備期間を確保する必要があります。

Benefits

企業にとってのメリット

長期雇用・コスト削減・定着率向上

長期雇用が可能になる

1号の通算5年という上限がなくなるため、採用・育成コストを回収しやすくなります。技術や業務知識の蓄積が進み、組織全体の生産性向上にもつながります。

支援コストの削減

2号では支援計画の策定・実施義務がなくなります。1号で必要だった生活オリエンテーションや定期面談などの義務的支援が不要になり、登録支援機関への委託費も発生しません。

家族帯同による定着率の向上

配偶者・子の帯同が認められるため、生活基盤が安定します。家族と離れて暮らすことによる離職リスクが低減し、長期的な定着が見込めます。

中核人材としての活用

2号は「熟練した技能」を持つ人材です。現場のリーダーや後進の指導役として、組織の中核を担うポジションへの配置が可能になります。

Outlook

拡大の背景と今後の見通し

短期補填から中長期の人材確保へ

1号の通算5年という在留期間の上限は、企業側・外国人材側の双方にとって課題でした。企業にとっては、育成した人材が5年で帰国するリスクがあり、外国人材にとっては長期的なキャリア形成が困難でした。

2023年の2号対象分野の拡大は、こうした課題を踏まえた政策転換です。短期的な人手不足の補填から、中長期的な外国人材の確保・定着へと方向性が変わりました。

企業が今から取り組むべきこと

  • --在籍する1号人材のなかから2号候補者を早期に見極める
  • --班長や管理補助など、2号移行に必要な実務経験を計画的に積ませる
  • --分野別の試験スケジュールを把握し、準備を支援する
  • --社内で中核人材として活用するキャリアパスを設計する

Summary

まとめ

特定技能2号のポイント整理

  • --特定技能2号は、熟練技能を持つ外国人材向けの在留資格
  • --2023年の拡大で、介護を除く11分野が対象になった
  • --在留期間の上限なし、家族帯同可、支援計画不要が1号との主な違い
  • --移行には分野別の技能評価試験合格と実務経験が必要
  • --企業にとっては長期雇用、コスト削減、定着率向上のメリットがある
  • --1号人材の段階から2号移行を見据えた育成計画を立てることが重要

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