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外国人を初めて雇用するときの届出・手続き一覧
外国人雇用に必要な届出・手続きを4つのフェーズで時系列に整理しました。届出先、期限、必要書類をチェックリスト形式で確認できます。
最終更新日: 2026-04-02
Overview
4フェーズの全体像
届出・手続きの全体フローを確認
| フェーズ | 時期 | 主な届出先 |
|---|---|---|
| 1. 採用前 | 内定前後 | 出入国在留管理局 |
| 2. 入社時 | 入社日前後 | ハローワーク、年金事務所 |
| 3. 入社後 | 入社後随時 | 出入国在留管理局 |
| 4. 更新時 | 在留期限の3か月前から | 出入国在留管理局 |
届出漏れには30万円以下の罰金が科される場合があります。フェーズごとのチェックリストで漏れなく対応してください。
Phase 1
採用前 -- 在留資格の確認と申請
雇用契約を結ぶ前に確認・申請すべき手続き
在留カードの確認
雇用契約を結ぶ前に、候補者の在留カード原本を確認します。
表面の確認項目
- --在留資格(就労可能か)
- --在留期限(切れていないか)
- --就労制限の有無
裏面の確認項目
- --資格外活動許可の有無
入管庁の「在留カード等読取アプリケーション」でICチップの照合も可能
海外から呼び寄せる場合: 在留資格認定証明書交付申請
| 届出先 | 地方出入国在留管理局 |
| 申請時期 | 入社予定日の3〜4か月前 |
| 審査期間 | 1〜3か月(在留資格による) |
| 必要書類 | 申請書、雇用契約書の写し、会社の登記事項証明書、決算書類、業務内容を説明する資料 |
国内在住者の場合: 在留資格変更許可申請
留学や他の在留資格から就労資格へ変更する場合に必要です。
| 届出先 | 地方出入国在留管理局 |
| 申請時期 | 現在の在留期限が切れる前 |
| 審査期間 | 2週間〜1か月程度 |
| 必要書類 | 申請書、在留カード、パスポート、雇用契約書の写し、会社の登記事項証明書、決算書類 |
転職者の場合: 就労資格証明書(任意)
前職と業務内容が異なるときは取得を推奨します。入管が「その在留資格で当該業務に従事できる」ことを確認する書類です。
法的義務ではありませんが、次回の在留期間更新がスムーズになります。
Phase 2
入社時 -- 届出と保険手続き
日本人の雇用手続きに加えて、外国人固有の届出が必要
外国人雇用状況届出(ハローワーク)
すべての事業主に義務付けられています。届出を怠ると30万円以下の罰金の対象です。
| 区分 | 届出様式 | 期限 |
|---|---|---|
| 雇用保険の被保険者 | 雇用保険被保険者資格取得届の備考欄に記入 | 翌月10日まで |
| 被保険者でない | 外国人雇用状況届出書 | 翌月末日まで |
社会保険の資格取得届
届出先
管轄の年金事務所
期限
入社日から5日以内
注意点
パスポート表記と氏名を一致させる
住民登録の案内
中長期在留者は住所地の市区町村で住民登録が必要です。会社の届出義務ではありませんが、社会保険や税務に影響するため、入社時に案内しておくのが実務上有効です。
Phase 3
入社後 -- 定期届出と継続管理
入社後も継続的に必要な届出がある
所属機関に関する届出(本人による届出)
外国人本人が契約機関の変更を入管へ届け出る義務があります。会社としては本人が届出を行えるよう案内・サポートしてください。
| 届出先 | 出入国在留管理局(オンライン可) |
| 期限 | 変更があった日から14日以内 |
| 届出内容 | 新たな契約機関の名称・所在地 |
特定技能の場合: 定期届出
特定技能の在留資格で雇用している場合、受入機関は四半期ごとの届出が必要です。
届出の頻度と期限
四半期ごと(翌四半期の初日から14日以内)
届出内容
受入状況、活動状況、支援実施状況(1号のみ)
届出を怠ると指導や改善命令の対象になり、受入機関としての適格性に影響します。
労働保険の年度更新
外国人従業員も労災保険・雇用保険の対象です。毎年6月1日〜7月10日の年度更新では、外国人従業員分の賃金も算定基礎に含めます。手続き自体は日本人と同じです。
Phase 4
更新時 -- 在留期間更新と期限管理
更新を失念すると不法滞在になるリスクがある
在留期間更新許可申請
| 届出先 | 地方出入国在留管理局 |
| 申請時期 | 在留期限の3か月前から申請可能 |
| 審査期間 | 2週間〜1か月程度 |
| 必要書類 | 申請書、在留カード、パスポート、課税証明書・納税証明書、雇用契約書の写し、会社の決算書類 |
特例期間
在留期限までに申請を行い、期限到来時点で審査中の場合は、在留期限から2か月間は引き続き在留が認められます。ただし、この特例に頼る運用は避け、余裕を持って申請してください。
在留期限の管理方法
一覧表での管理
氏名、在留資格、在留期限、更新申請日を一覧化する
アラート設定
期限の4か月前・3か月前にリマインダーを設定
在留カードのコピー保管
更新のたびに最新のカードのコピーを保管する
Reference
届出一覧表
全フェーズの届出を一覧で確認
| フェーズ | 届出・手続き | 届出先 | 期限・時期 | 届出者 |
|---|---|---|---|---|
| 採用前 | 在留カード確認 | -- | 雇用契約締結前 | 企業 |
| 採用前 | 在留資格認定証明書交付申請 | 出入国在留管理局 | 入社3〜4か月前 | 企業(代理) |
| 採用前 | 在留資格変更許可申請 | 出入国在留管理局 | 在留期限前 | 本人 |
| 入社時 | 外国人雇用状況届出 | ハローワーク | 翌月10日 / 翌月末 | 企業 |
| 入社時 | 雇用保険 資格取得届 | ハローワーク | 翌月10日まで | 企業 |
| 入社時 | 社会保険 資格取得届 | 年金事務所 | 入社から5日以内 | 企業 |
| 入社後 | 所属機関届出 | 出入国在留管理局 | 変更から14日以内 | 本人 |
| 入社後 | 特定技能 定期届出 | 出入国在留管理局 | 四半期ごと | 企業 |
| 入社後 | 労働保険 年度更新 | 労働基準監督署 | 毎年6/1〜7/10 | 企業 |
| 更新時 | 在留期間更新許可申請 | 出入国在留管理局 | 期限の3か月前から | 本人 |
Caution
よくある失敗と対策
実務で起こりがちなミスとその防止策
在留資格と業務内容の不一致
在留資格で認められていない業務に従事させると、不法就労助長罪(3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金)に問われる可能性があります。
対策: 採用前に在留資格で認められる活動範囲を確認する。判断に迷う場合は就労資格証明書を取得するか、行政書士に相談する。
外国人雇用状況届出の届出漏れ
届出義務を知らず、ハローワークへの届出を行わないケースが多く見られます。
対策: 入社手続きフローに外国人雇用状況届出を組み込む。雇用保険の資格取得届と同時に処理する運用にすると漏れにくい。
在留期間の更新失念
在留期限を過ぎると不法滞在となり、本人は退去強制の対象、企業は不法就労助長罪に問われる可能性があります。
対策: 在留期限の一覧表を作成し、期限の4か月前にアラートを設定する。複数の外国人従業員を雇用している場合は管理台帳やシステムでの管理を検討する。
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